コンセプト

■本物志向の -元祖デザイナーズ-

天王寺区の上町台地に位置する閑静な住宅地。昔ながらの風景が所々に残るどこかほっとする環境にRE-SOUL清水谷は建っています。 時の流れを体現した落ち着きと風格を感じるファサードは、風景の一部となりながらも強い存在感を醸し出しています。
建物中央に光庭を抱え込むことにより、居住空間に求められる通風、採光、プライバシーといった基本的な性能をしっかりと確保し、 光庭下部のオフィス空間では、外部空間と一体になったゆとりと開放感が静かな周辺環境と合わさってクリエイティブワーカーの創造意欲をかきたてます。
安易に時代に迎合したりはせず、あくまで歴史を積み重ねてきた環境やその建築の目的に相応しい普遍的な価値を追求する・・・ そうすることで、この場所において永く人々に愛され続ける建築でありたいと願っています。

  • RE-SOUL清水谷外観イメージ
  • RE-SOUL清水谷外観イメージ

■環境を創造するデザイン

横ボーダーの入ったコンクリート打放しと、シックな青色タイルとの組み合わせを主体に構成された外観は立体的かつ個性的。 そのデザイン性と居住性を評価され、第11回大阪市ハウジングデザイン賞を受賞しています。

  • RE-SOUL清水谷外観イメージ
  • RE-SOUL清水谷外観イメージ

■光庭とアトリウムのある空間

建物中央に光庭を設け、外部空間を建物の中まで取り込んでいます。住戸は全て角部屋で住まいに最も大切な通風と採光が良好です。 この光庭につながる下階事務所ゾーンのアトリウムは、建物全体のエントランスホールを兼ねた明るく開放的な空間となっています。

  • 2階アトリウム
    2階アトリウム
  • 2階アトリウム夜景
    2階アトリウム夜景
  • 光庭見上げ
    光庭見上げ
  • 3階ホール
    3階ホール

■個性的でスタイリッシュなワークスペース

自然光が降り注ぐ開放的なアトリウムに面した2・3階のオフィスゾーンのインテリアは、 コンクリート打放しとガラスブロックの取り合わせで構成、天井の化粧梁に組み込まれた照明なども備え、個性的で快適なワークスペースです。
共用ホールのアトリウムからの自然光が、ガラスブロックを通して室内にやわらかく取り込まれます。
周辺は静かで落ち着いた環境なので、クリエイティブな業務に集中できます。

  • オフィスインテリア
    オフィスインテリア
  • ガラスブロックのある共用廊下
    ガラスブロックのある共用廊下

■ライフスタイルに合わせて選べる住戸タイプ

約10帖大の広さのシンプルなワンルームから、ワイドなキッチンを備えた、フレキシブルに使える1DK、 モダンな畳のあるタイプや、サンルームのあるスペシャルな空間等、多彩なバリエーションが選べます。各タイプすべて角部屋で、 通風、採光、プライバシー共に良好、室内の天井、柱、梁はおしゃれなコンクリート打放し仕上げです。

  • ワンルームタイプ
    ワンルームタイプ
  • 1DKタイプ(モダン和室仕様)
    1DKタイプ(モダン和室仕様)
  • サンルームのある住戸
    サンルームのある住戸

Owners Essay -サスティナブルな建築空間-RE-SOUL清水谷

1995年11月 記(田中啓文)

かつて、この場所には、気持ちの良い中庭のあるT荘と言う木賃アパートがあった。 当時としては、ハイカラな建物で、結構モダンな人達が、集い住んだという。何度かテレビドラマの舞台にもなったと、住人さん達は誇らしげに話していた。 時代は流れて建物は老朽化したが、住人さん達の暖かいコミュニティは、時を得るに従い熟成した。思い切って建て直すことを決意してから何度も話し合いを重ねたが、 彼らのこの場所への愛着の強さと、互いを思いやる気持ちが印象に残った。色々とあったが、そのうちビール片手に雑談に花が咲く様になり、最後は皆笑顔で引っ越して頂いた。 時間と場所の持つ力を実感した貴重な体験だった。

建て直すにあたって、この場所の持っていた力を生かしたいと考えた。かつての気持ちの良い中庭は、2つの棟をつなぐ空間に置き換えた。 2~3階のオフィスゾーンでは、それはトップライトのある共用空間となり、各々の事務所に適度な距離と快適なゆとりを与えている。 又、4階から上の住居ゾーンでは光庭となり、外部空間が建物の中に取り込まれる。住戸は全て角部屋となり、単身用住戸とはいえ、通風・採光は良好である。

この場所の歴史を調べているうちに、かつて難波宮のあった頃、敷地の東側の程無い位置に、朱雀大路(難波大道)が通っていたことが判った。 当時の街路パターンは今では殆ど失われているが、真北に沿った均一なグリッドを持っていたらしい。天王寺区内では、北山町から勝山辺りに通るこの古道がこの軸に一致している。 秀吉の時代にその骨格が出来たと言われる現在の街路パターンの中に、遠い難波宮の時代の都市の秩序を、密かに挿入しようと考えた。 低層部の壁面とバルコニーの面、そして、ELVシャフトと階段は、真北に沿って配置した。現在の街路パターンからは約5°振れている。 時の積み重なりを感じる様に、化粧コンクリートの壁面には45cmピッチで横ラインのボーダーを設け、小ダタキ仕上げを施した。 ELVシャフトと階段の壁は、土をイメージした素材で仕上げている。一方、現在の街路パターンに沿う2つの壁は、ソリッドな青味のタイルである。

  • 新旧街路パターンのズレ
    新旧街路パターンのズレ
  • 建物全景
    建物全景

この建物の新しい共用空間は、各々異なる素材で造った新旧2つの秩序が互いに響きあう場所である。 T荘の中庭も、住人さん達の日々の生活を生き生きと育んできた。時の流れは連綿として途絶える事は無い。新たな息吹を与えられたこの場所が、新しい住人さん達に再び長く愛されることを祈っている。

  • アトリウム見上げ
    アトリウム見上げ